TOP 特別展 年間スケジュール コレクション企画展 没後100年 野口小蘋

特別展情報

  • 展覧会紹介


     2017年1月21日(土)~2月26日(日) 
     

    平成29(2017)年は、近代を代表する女性南画家、野口小蘋(1847~1917)の没後100年にあたります。本展では、県立美術館が開館以来、収集した全作品と選りすぐりの寄託作品を中心に約80点を展示します。中には、日の目を見ること無く収蔵庫に眠り続けた作品や、今回、新たに寄託された作品など、初紹介作品も多数並びます。また、県内の個人コレクションや、最近になって発見された資料、さらには小蘋が実際に見て、学んだ師、日根対山をはじめとする先人画家や同時代画家たちの作品を展観することで、どのように小蘋の画風が確立されたのかを検証し、雅で優雅な小蘋芸術を堪能していただきます。
     

     

     

    第1章 学習期:松邨親の時代

     野口小蘋は、弘化4年(1847)1月11日、大阪に生まれました。幼少から絵を好み、八歳で四条派の絵師に手ほどきを受けて玉山と号しました。青年となってからは、父母に伴われて各地を遊歴しますが、名古屋で父が没し、その後は席画などで収入を得て母を養いました。19歳の時、幕末の関西を代表する文人画家、日根対山(ひね たいざん)に師事して小蘋と号し、京都で本格的に画を生業とするようになります。しかし、母が没した明治4年(1871)、心機一転、上京し、2年後には、官命により皇后陛下御寝殿に草花図を八枚描くほどにまでになります。また、明治8年(1875)には、甲府の豪商大木家に滞在し、後に嫁ぐ酒造業「十一屋」野口家の長子、正章らと交流しています。

     玉山時代の作品として、文久2年(1862)に参加した席画会を描いた《知春園雅集図(ちしゅんえんがしゅうず)》があります。一昼夜足らずで千枚描き上げた逸話の残る宴席を描いたもので、賑やかな雰囲気が伝わり、16歳の玉山が初々しく描いた秀作です。また、浮世絵美人の系譜に連なる《美人図》をはじめ、文人趣味を色濃く反映させた《美人雅集図(びじんがしゅうず)》《美人名花十二友画冊(びじんめいかじゅうにゆうがさつ)》など、早くから極彩色による美人画を良くし、他にも同様の作品が多く知られることから、当時は美人画で人気を博していたことが推測されます。

     

    第2章 飛躍期:野口小蘋の時代

     明治10年(1877)、小蘋は滋賀県蒲生郡(現、東近江市)に本邸を構える酒造業「十一屋」野口家の長子正章(まさあきら)と結婚し、翌年、娘郁が生まれました。翌12年(1879)には、一家で営業所のある甲府へ移り住んでいます。正章は、国産ビールの生産を早くから手掛けた人物として知られますが、当時の技術では困難が伴い、莫大な借財を負ったことで当主の座を弟へ譲り、明治15年(1882)、一家三人は上京して出直すことになりました。

     小蘋にとって上京は、早速、同年10月に開催された第一回内国絵画共進会で褒状を受賞するなど、画家として再出発する転機となりました。2年後の第二回展においても褒状、明治19年(1886)の東洋絵画共進会では銅牌を受賞し、皇太后・皇后両皇后陛下行啓の際には御前揮毫をする栄誉を得ています。また、明治22年(1889)からは華族女学校の嘱託教授を拝命しました。その後も、第三回内国勧業博覧会へ出品した《西王母図》は最高賞の妙技二等妙技賞を受賞し、第四回展でも連続して同賞を受賞しています。それらを前後して日本美術協会展へ精力的に出品して受賞を重ね、多くが御用品となりました。さらには皇族や宮家の画学御教導を拝命するなど「明治の宮廷画家」に喩えて良いほどの活躍をしました。

     

     

    【特集コーナー : 小蘋の絵画学習~新発見資料を中心に】

     十一屋には、幕末から明治期の当主、正忠(まさただ)[号、柿邨(しそん)]と親交のあった文人たちをはじめ、江戸時代の書画が大量に伝わっています。中でも小蘋の師であった日根対山の作品が群を抜いています。小蘋は、慶事の際にのみ本宅の大広間を飾ったとされる《一品當朝図襖(いっぽんとうちょうずふすま)》をはじめ、多くの対山作品を実見し、学んでいたことは間違い有りません。その他、谷文晁、椿椿山、田能村竹田、岡田米山人、富岡鉄斎ら文人画家の作品も同様と思われます。

     また、最近、小蘋の写生、模写、そして下絵など、膨大な資料が見出されました。本展では、それらの一部を初紹介します。実見した多くの中国絵画について縮尺した簡単な模写と漢詩(賛文)を写し、円山応挙さながらの昆虫を写生するなどの『縮図・写生帖』をはじめ、恐らく当時としては目新しいスケッチブックを入手し、しかも鉛筆による旅先の風景や草花の写生の残る『写生スケッチ帳』、また、極薄い画箋紙に描かれる下図や模写と思われる資料もありました。さらには注文を受けた団扇や扇子の下絵から校合摺、そして試し摺りまでが揃う貴重な資料も残されています。これらは小蘋の基礎資料として非常に重要な意味を持つこと間違いありません。

     本展では特集コーナーとして、小蘋の画業に大きく影響を与えた対山や文晁、鉄斎らの作品と、作画にいたる過程で残された貴重な資料類によって、小蘋の絵画学習の一端を紹介します。

     

     

     

    第3章 大成期 : 「帝室技芸員」野口小蘋の時代

     明治37年(1904)、小蘋は女性で初の帝室技芸員に任命されました。帝室技芸員とは、帝室すなわち天皇や皇族お抱えの芸術家を意味し、宮殿の装飾をはじめ、宮中行事などで使用される調度品や宮内省から注文される作品、いわゆる御物を制作、献上する名誉ある立場です。小蘋は、数多くの掛軸、屏風を制作し、それらは現在でも宮内庁や旧御物として三の丸尚蔵館に所蔵されています。一方で、文展審査員を第1回から4回まで務め、また日本美術協会の顧問になるなど多方面で活躍しました。そして大正4年(1915)、大正天皇御即位式御大典において東西の画家から各1人のみが任命され奉祝画屏風を制作する名誉を得て《悠紀地方風俗歌屏風(ゆうきちほうふうぞくうたびょうぶ)》を上納しています。その疲労からか翌年に病を発し、翌大正6年(1917)2月17日に71歳で没しました。

     大成期の作品は、上質な顔料をふんだんに使用した極彩色の花鳥画や山水画に目を見張るものが少なくありません。《秋園錦繍図(しゅうえんきんしゅうず)》は、かつて昭憲皇后から北白川宮成久王へ下賜された花卉画の代表作です。また、《湖山春霽図(こざんしゅんせいず)/秋嶺飛泉図(しゅうれいひせんず)》や《渓山僊隠図(けいざんせんいんず)》などの眩しいばかりの青緑山水は、小蘋芸術の真骨頂と言えます。その他、小蕙こと、娘郁との共作《百福図屏風(ひゃくふくずびょうぶ)》など、魅力的な作品が数多く制作されました。

     

     

  • 開催概要


     

    【開催概要】

    名   称 : コレクション企画展「没後100年 野口小蘋」         

    会   場 : 山梨県立美術館 南館2階 特別展示室

    会   期 : 2017年1月21日(土)~2月26日(日) 

    休  館  日 : 1月23日(月)・30日(月)、2月6日(月)・13日(月)・20日(月)

    開館 時 間 : 午前9:00~午後5:00(入館は午後4:30まで)

    主   催 : 山梨県立美術館 

      一 般 大学生
    観覧料 510円(420円) 210円(170円)
    【観覧料】 
    コレクション展(ミレー館、テーマ展示室、萩原英雄記念室)チケットでご覧いただけます。
    一般:510円(420円)、大学生:210円(170円)
    *( )内は20名以上の団体料金、県内宿泊者割引料金
    *小・中・高・特別支援学校生は無料
    *65歳以上の方は無料(健康保険証等持参)
    *障害者手帳をご持参の方はご本人と介護の方1名が無料
  • 関連イベント


     

    【関連イベント】 

      ※内容は変更となる場合があります。

     

    担当学芸員によるギャラリー・トーク

    日時 2月5日(日) 14:00~

    場所 特別展示室

     

    こども美術館「君も小蘋先生だ!」

    日時 2月18日(土) ①10:00~11:30 ②13:30~15:00

    場所 ワークショップ室

    対象 小学生(1~3年生は保護者同伴、各回定員15名)

    申込期間 1月18日~2月15日

     

    <関連イベントの申込方法>  

     ◆こども美術館

      FAXまたは電話にてお申し込みください。その際、①~⑤の事項をお伝えください。

     

      【記入事項】

       ①参加希望コース(午前/午後) ②氏名 ③学年 

      ④電話番号(FAX番号) ⑤参加される保護者の人数 

      

      〒400-0065 山梨県甲府市貢川1-4-27 山梨県立美術館「こども美術館」係

      TEL:055-228-3322 FAX:055-228-3324 

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