TOP 特別展 年間スケジュール バロックの巨匠たち

特別展情報

  • 展覧会紹介


    *作品保護のため展示室内の温度を21℃程度に保っております。上着などをお持ちいただくことをお勧めいたします*

     

    本展では、チェコのプラハ国立美術館、ポーランドのヨハネ・パウロ2世美術館、フランスのシャルトル会修道院美術館の所蔵品より、ルーベンス、レンブラント、ベラスケスなど、バロック美術の巨匠たちの作品を展示します。神話画、歴史画、肖像画、静物画などさまざまなジャンルの西洋絵画をお楽しみいただける展覧会です。

     

    美術における「バロック」とは、一般的には16世紀末頃から18世紀初頭にかけてイタリアを起源としてヨーロッパで広まった様式を指します。その語源は、ポルトガル語で「歪んだ真珠」を意味する「バローコ(Barroco)」であるとする説が有力です。写実的な描写と劇的な明暗法によるドラマチックな表現が特徴と言えますが、およそ100年の間にイタリアからヨーロッパ中に伝播するうちに、各地の独自性を帯びて発展していきます。本展では、イタリア、オランダ、フランドル(現在のベルギーとフランス北部にまたがる地域)、スペイン、フランス、ドイツの作家たちの作品を、地域ごとのセクションに分けて展示します。

     

    バロック美術の揺籃の地イタリアは、カトリック勢力の中心地であり、16~17世紀の対抗宗教改革期には人々の信仰心に訴えかけるような明快で写実的な宗教画が求められました。バロック美術の隆盛は、このような時代の動きと密接に繋がっていました。イタリア絵画のセクションでは、バロック様式に影響を与えたヴェネツィア派のティツィアーノやティントレット、バロック様式の開花に貢献したカラヴァッジョ派の画家たち、ボローニャ派のグイド・レーニやドメニキーノの作品などを展示します。

     

    オランダは1581年にカトリックのスペインから独立し、プロテスタントが主流となって市民社会を形成しました。イタリアで誕生したバロック様式はカラヴァッジョ派の画家たちによってオランダにもたらされ、レンブラントなどに影響を与えます。オランダ絵画のセクションでは、レンブラントをはじめ、カラヴァッジョ派のテルブリュッヘン、静物画家のファン・スホーテンやデ・ヘームの作品などを展示します。

    オランダ(北ネーデルラント)がスペインから独立した後も、フランドル(南ネーデルラント)はスペイン領にとどまり、カトリックの壮麗な様式を発展させます。フランドル絵画のセクションでは、バロックの代表的な画家であるルーベンスやヴァン・ダイク、また農民の生活を描いたブリューゲル(子)の作品などを展示します。

     

    スペインでは、フェリペ2世やフェリペ4世といった16~17世紀の歴代君主が芸術を重んじ、またカトリックの勢力が強大であったことから、美術の黄金時代を迎えます。スペイン絵画のセクションでは、ベラスケスの肖像画、ムリーリョの聖母子像、リベーラの聖人像などを展示します。

     

    本展ではさらに、フランス、ドイツの絵画も展示します。バロック絵画の多様性を実感しながら、その魅力を味わっていただける展覧会です。

     

    ◆オランダ・フランドルの巨匠たち

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    レンブラント・ファン・レイン《髭のある男の肖像》 1643年 油彩、板 21×16cm

    ヨハネ・パウロ2世美術館 ©Museum John Paul Ⅱ Collection

     

    レンブラントは17世紀のオランダで活躍した画家、版画家です。

    当時のオランダは、経済、貿易、科学、軍事、芸術などが飛躍的に発展した時期にあたります。レンブラントの画風は、スポットライトを当てたような明暗表現や、バロック的なドラマチックな構図、そして特に画業後期に見受けられる深い精神性が特徴です。

     

     

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    ペーテル・パウル・ルーベンス 《十字架への道》 油彩・板 125.5×98.5cm  

    ヨハネ・パウロ2世美術館 ©Museum John Paul Ⅱ Collection

     

    ルーベンスは、バロック期を代表するフランドルの画家です。

    大規模な工房を構え、ヨーロッパ各国の王室で芸術家として重用されただけでなく、外交官としても活躍しました。躍動感あふれる群像表現、官能的な人物、豊麗な色彩が特徴です。

    本作には、十字架を背負って刑場であるゴルゴタの丘へ向かうイエスが描かれています。右側に描かれている女性はヴェロニカで、汗をぬぐうための布をイエスに差し出しています。

     

     

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    ピーテル・ブリューゲル(子) 《東方三博士の礼拝》 油彩・板 39×56cm  

    プラハ国立美術館 ©National Gallery in Prague 2016

     

    ピーテル・ブリューゲル(子)は、フランドルのブリューゲル一族の1人です。農民が主人公となった教訓的な風俗画で知られるピーテル・ブリューゲル(父)の作品を複製したり、父の作品をもとに油彩画を制作したりしました。本作も父の作品(1563年、オスカー・ラインハルト・コレクション)を元に制作したものです。 

    東方三博士とは、イエスが誕生した際に東方からやってきて乳香、没薬、黄金を贈り物として捧げた3人の博士のことをさします。

    本作では、聖母子と博士たちが左の端に小さく目立たないように描かれ、画面の大半はフランドルの日常風景となっており、イエスが誕生した12月に合わせて冬景色です。

     

     

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    アンソニー・ヴァン・ダイク 《エジプトへの逃避途上の休息》 油彩・カンヴァス 126×155cm

    ヨハネ・パウロ2世美術館 ©Museum John Paul Ⅱ Collection

     

    アンソニー・ヴァン・ダイクは、フランドル出身の画家で、ルーベンスの助手として働いた後、イングランドにわたってチャールズ1世の宮廷画家に任命されました。早世したものの、英国美術に多大な影響を与えました。

    聖ヨセフは夢で、ヘロデ王がイエスを殺そうとしているため、エジプトへ逃れるようにと告げられ、妻であるマリアと幼いイエスを連れて旅に出ました。

    本作には、その途上で聖家族が休息を取る場面が描かれ、聖母マリアがイエスを抱き、画面右側ではプットーたちが賑やかに踊り、上空には天使たちが描かれています。

     

     

    ◆イタリアの巨匠たち

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    パオロ・ヴェロネーゼ(本名:パオロ・カリアーリ) 《女性の肖像》 1565年 油彩・カンヴァス 106×87cm

    シャルトル会修道院美術館、ドゥエ ©Musée de la Chartreuse de Douai

     

    ヴェロネーゼはルネサンス期のヴェネツィアを代表する画家です。

    ヴェネツィア派の画家たちは、豊かな色彩表現やドラマチックな明暗法を発展させ、カラヴァッジョなどイタリア・バロック絵画の巨匠たちに多大な影響を与えました。

    本作には、1560~65年当時の最先端の流行を取り入れた優雅な衣装を身に着けた女性が描かれています。

     

     

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    グイド・レーニ 《聖家族-エジプトへの逃避途上の休息》 1637年 油彩・カンヴァス 163×134.5cm

    ヨハネ・パウロ2世美術館 ©Museum John Paul Ⅱ Collection

     

    グイド・レーニは、古典的な理想美を追究したイタリアのボローニャ派を代表する画家です。洗練された色彩感覚とダイナミックな構成で、演劇性と感傷性に富んだ様式を確立しました。

    本作には、聖ヨハネ、聖母マリア、イエスがヘロデ王による男児虐殺から逃げるためエジプトへと向かう途上の様子が描かれています。既述のヴァン・ダイクが描いた同場面とは異なる静謐な雰囲気が特徴的です。

     

     

    ◆スペイン、フランスの巨匠たち

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    バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 《聖母子》 油彩・カンヴァス 119.5×84.5cm

    ヨハネ・パウロ2世美術館 ©Museum John Paul Ⅱ Collection

     

    ムリーリョはスペインのセビーリャを代表する画家です。特に聖母子を描いた宗教画において甘美で抒情的な画風を確立し、人気を得ました。

    本作には幼子イエスを抱いた聖母マリアが描かれており、スペインの写実精神とルネサンス以来の理想主義が融合し、人間味がありながらも荘厳な雰囲気をもつ作品となっています。

     

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    ディエゴ・ベラスケス 《自画像》  油彩・カンヴァス 58×40cm

    ヨハネ・パウロ2世美術館 ©Museum John Paul Ⅱ Collection

     

    ベラスケスは、フェリペ4世の宮廷画家として活躍し、《宮廷の侍女たち(ラス・メニーナス)》などで知られる、スペインを代表する画家です。

    柔らかな光が包み込むような色彩表現は、のちの印象派の先駆けとも言われています。

    本作は画家の自画像で、「鏡のようなリアリズム」とも称えられた虚飾のない写実表現で自己をとらえています。

     

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    アンリ・ガスカール 《マリー・ド・セヴィニェ(推定)の肖像》 油彩・カンヴァス 112×87.5cm

    ヨハネ・パウロ2世美術館 ©Museum John Paul Ⅱ Collection

     

    アンリ・ガスカールは、フランスで生まれイギリスで成功を収めた肖像画家です。宮廷の貴婦人たちの肖像画を多く描き、評価を得ました。

    本作のモデルは、聡明さと美しさによってパリのサロンで知られ、文筆活動も行ったセヴィニェ夫人とみなされており、手には「卓越」などの花言葉をもつカーネーションを持っています。

     

  • 開催概要


    【名 称】
    バロックの巨匠たち ルーベンス、レンブラント、ベラスケスと栄光の時代
     
    【会 場】
    山梨県立美術館 特別展示室
     
    【会 期】
    2017年4月15日(土)~6月11日(日)
     
    【休館日】
    4月17日(月)、24日(月)、5月8日(月)、15日(月)、22日(月)、29日(月)、6月5日(月)
     
    【開館時間】
    9:00~17:00(入館は16:30まで)
     
    【主 催】
    山梨県立美術館 山梨日日新聞社・山梨放送
     
    【後 援】
    駐日ポーランド共和国大使館 テレビ山梨 テレビ朝日甲府支局 朝日新聞甲府総局
    毎日新聞甲府支局 読売新聞甲府支局 日本経済新聞社甲府支局 産経新聞甲府支局 
    共同通信社甲府支局 時事通信社甲府支局 山梨新報社
    日本ネットワークサービス エフエム富士 エフエム甲府
     
    【協力】
    山梨交通株式会社
     
    【企画協力】
    ホワイトインターナショナル
     
      一 般 大学生
    観覧料 1,000円(840円) 500円(420円)
    ※ ( )内は20名以上の団体料金、前売券、県内宿泊者割引
    ※高校生以下の児童・生徒は無料
    ※県内65歳以上の方(健康保険証等持参)は無料
    ※障害者手帳をご持参の方と介護の方1名は無料
    ※前売券は山梨県立美術館にて、2017年3月15日(水)~4月14日(金)まで販売
  • 関連イベント


    ■記念講演会「バロックの名画を読み解く」

    バロック美術の見方や代表的な作品について、バロック美術研究者の栗田秀法氏が講演を行います

    【講師】 栗田秀法氏(名古屋大学文学研究科教授)

    【日時】 4月22日(土) 14:00~15:30

    【会場】 講堂(申し込み不要、聴講無料)

     

    ■特別展記念コンサート

    【日時】 4月29日(土・祝) 13:15~13:50

    【演奏】 オーボエ・バンド「梨」(第3回国際古楽コンクール<山梨>祝祭バンド)

    【編成】 バロック・オーボエ、バロック・ファゴット

    【場所】 講堂(申し込み不要、入場無料)

    【定員】 先着120名

     

    ■ミュージアム・シアター「ヴェルサイユの宮廷庭師」

    (2014年 監督:アラン・リックマン、主演:ケイト・ウィンスレット)

    【日時】 4月30日(日) 13:30~(117分)

    【場所】 講堂(申し込み不要、入場無料)

     
    ■こども美術館「ようこそ、バロック劇場へ!」

    絵の中の人物になりきったりして、楽しく鑑賞しましょう

    【日時】 5月13日(土) ①10:00~11:30 ②13:30~15:00

    【対象】 小学生(1~3年生は保護者同伴)

    【場所】 ワークショップ室

    【定員】 保護者を含めて20名程度

    【申込期間】 4月13日(木)~5月10日(水)

     

    《お申し込み方法》

    FAXまたは電話にてお申し込みください。

    ①参加希望コース(午前/午後) ②氏名(ふりがな) ③学年

    ④電話番号(FAX番号) ⑤付き添いの保護者の人数

    以上を必ず記入、または電話でお伝えください。

     

    《お申し込み先》

    山梨県立美術館「こども美術館」係

    TEL:055-228-3322 FAX:055-228-3324

    ※開館日の9:00~17:00

     

    ■大人のための美術講座「バロック美術への旅」

    ギャラリー・トーク前のちょっとお得な講座です

    【講師】 担当学芸員

    【日時】 6月3日(土) 13:30~14:00

    【場所】 講堂(申し込み不要、聴講無料)

     

    ■担当学芸員ギャラリー・トーク

    【日時】 6月3日(土) 14:30~

    【場所】 特別展示室(申し込み不要、特別展チケットが必要)

     

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