種をまく 世界がひらく 山梨県立美術館

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ごあいさつ

山梨県立美術館 館長 青柳正規

山梨県立美術館 館長 
青柳正規

山梨県立美術館は1978(昭和53)年の開館以来、「ミレーの美術館」として親しまれています。そのきっかけをつくったのが《種をまく人》などのミレーの代表作を収集することができたためであり、バルビゾン派を中心とするヨーロッパの風景画のコレクションによってミレーの特質を西洋美術史のなかで位置づけることができたからではないでしょうか。
このような特徴を持つ美術館ではありますが、日本社会の成熟化にともない文化の役割はいっそう重要になりつつあり、豊かな文化的環境の中で精神的に充実した生活を送るために美術館はこれまで以上に大きな貢献をはたしていかねばなりません。そのためには、あらゆる世代の方々に気軽に足を運んでいただき、しかも美術作品に触れることによって日常とは違う刺激や印象をもっていただき、生活の幅を拡大し生活の質を深化させることが必要です。そのような美術館になることを目指していきたいと考えています。

山梨県立美術館ロゴのコンセプト

種をまくこと。それは未来へと希望をつなぐことです。
山梨県立美術館が所蔵する19世紀の画家ジャン=フランソワ・ミレーの《種をまく人》は、右足を大きく踏み出し、腕を力強く振り上げて種をまく人物を堂々と描いた作品です。
まかれた種は、大地に根を張り、芽を出し、葉を広げ、花を咲かせ、実を結び、再び新しい種となります。
「種をまく」という行為に、一歩を踏み出す、自分の手でなしとげる、何かが始まる、未来につながるという意味を託して、「種をまく」という言葉を選びました。
また、「世界がひらく」という言葉は、力をこめて開こうとする「世界をひらく」ではなく、自然に開いていくようなイメージを表現するため、「世界がひらく」を選びました。ひとりひとりが「種をまき」、それぞれの「世界が」開いていくイメージです。
山梨県立美術館が、皆さんひとりひとりの「種をまく世界がひらく」きっかけとなりたいという希望をこめて、そして山梨県立美術館もまた、次につながる「種をまき」、新しい「世界がひらく」ように歩み続けたいという決意をこめて、キャッチコピーを「種をまく世界がひらく」としました。

沿革

1978年(昭和53年)8月26日 美術館ボランティア(美術館協力会)開講
1978年(昭和53年)11月3日 開館(初代館長 千澤楨治)
1978年(昭和58年)9月~11月 開館5周年記念ブールデル《ケンタウロス》収蔵
開館5周年記念特別展「時世粧の芸術・日本の女ごころ」開催
1988年(昭和63年)10月~11月 開館10周年記念ライスダール《ベントハイム城の見える風景》収蔵
開館10周年記念特別展「中丸精十郎とその時代」開催
1989年(平成元年)11月3日 芸術の森公園・県立文学館オープン
1993年(平成5年)5月~12月 開館15周年記念クロード・ロラン《木を伐り出す人々》収蔵
開館15周年記念特別展「葡萄とワインの美術」「バルビゾン派と日本」開催
1996年(平成8年)3月25日 ミレー《落ち穂拾い、夏》を収蔵(山梨県公営企業40周年記念事業)
1997年(平成9年)7月~ 平成10年9月 収蔵庫増築工事
1998年(平成10年)9月~12月 開館20周年記念ミレー《鶏に餌をやる女》収蔵
開館20周年記念特別展「自然に帰れ―ミレーと農民画の伝統―」開催
2002年(平成14年)9月~11月 開館25周年記念特別展「ボストンと山梨のミレー」開催
2002年(平成14年)11月~ 平成16年3月 展示施設増築工事(南館)
2008年(平成20年)4月~2009年(平成21年)3月 開館30周年記念特別展「田園讃歌 近代絵画に見る自然と人間」
「富士山 近代に展開した日本の象徴」
「県美30年の歴史 わたしが選ぶこの一点」「山梨に眠る秘蔵の日本美術」開催
2009年(平成21年)1月6日 「ミレー館」オープン 新収蔵作品 ミレー《眠れるお針子》他3点一般公開
2009年(平成21年)4月1日 美術館・文学館・芸術の森公園の管理業務に指定管理者制度を導入
2011年(平成23年)12月14日  ミレー《古い塀》を収蔵
2013年(平成25年)7月~平成26年7月 開館35周年記念「生誕200年 ミレー展」ほか開催
2018年(平成30年)4月13日 キャッチコピー「種をまく 世界がひらく」及びアイコン「種をまく人」発表
2018年(平成30年)4月~12月 開館40周年記念「シャルル=フランソワ・ドービニー バルビゾン派から印象派への架け橋」展ほか開催
2018年(平成30年)7月4日 開館40周年記念ミレー《角笛を吹く牛飼い》収蔵
2018年(平成30年)10月~2019年(平成31年)3月 開館40周年記念事業「文化の種まきプロジェクト」開催

施設概要

所在地 山梨県甲府市貢川1-4-27
開館 1978(昭和53)年11月3日
1997(平成9)年 収蔵庫増築
2004(平成16)年 南館増築
本館
施工期間
設計・監理
施工
1977年3月~1978年7月
前川國男設計事務所
大成建設
南館
施工期間 2002(平成14)年11月6日~2004(平成16)年4月2日
設計・監理 大宇根建築設計事務所
延床面積 12,018.82㎡
展示室等面積
ミレー館
テーマ展示室
萩原英雄記念室
特別展示室
県民ギャラリー
講堂
工房
ワークショップ室
800.83㎡
976.57㎡
171.95㎡
1148.51㎡
A : 288.24㎡ / B : 209.95㎡ / C : 221.95㎡
194.60㎡
184.59㎡
110.36㎡

前川國男建築について

山梨県立美術館

山梨県立美術館の本館設計は、東京文化会館や東京都美術館 などを手がけた前川國男(1905―1986)によります。前川は、フランスで活躍したモダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエ(1887―1965)に師事しました。1928(昭和3)年に日本人として初めてル・コルビュジエの事務所に入り、ついでアントニン・レーモンド(1888―1976)の元でも学びました。日本の近代建築を牽引し、モダニズム建築の旗手として活躍しました。
1978(昭和53)年に建てられた山梨県立美術館は、ワインレッドのレンガの外壁をもつ2階建ての建物です。正面入口には、ル・コルビュジエの建築の特徴ともいえる、壁のない吹き放ちの空間であるピロティが設けられています。エントランスホールには高く開放的な吹き抜けがあり、つづく大きな階段が2階の展示室へと来館者を誘います。1階と2階両方に設けられた横長水平の窓は、外の公園の木々へと開かれ、四季折々の変化を存分に感じることができるようになっています。
2004(平成16)年には、前川事務所から独立した大宇根弘司(1941―)氏による南館も増設されました。

山梨県立美術館のあゆみ

これまでの山梨県立美術館の誕生からのあゆみをPDFでご覧いただけます。

美術館と私ーエッセイ集-

山梨県立美術館開館40周年を記念して募集した「美術館と私 -エッセイ集-」を公開いたします

美術館と私ーエッセイ集-