種をまく 世界がひらく 山梨県立美術館

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コレクション展

山梨県立美術館の収蔵品で構成するコレクション展は、ミレーとバルビゾン派の作品を中心に紹介する<ミレー館>、山梨ゆかりの作家たちの作品を中心に紹介する<テーマ展示室>、甲府市出身の作家である萩原英雄の作品やコレクションを紹介する<萩原英雄記念室>があります。これらの展示室では、年に4回展示替えを行い、常時「コレクション展」を開催しています。

ミレー館 [コレクション展A]

第1室では山梨県立美術館のミレーコレクションを、第2室ではバルビゾン派の画家の作品を中心に展示しています。

ミレーの世界
展示期間:2021年3月9日(火)~2021年6月6日(日)

ジャン=フランソワ・ミレー 《角笛を吹く牛飼い》 
制作年不詳 油彩・板

ミレー館の第1室ではミレーコレクションをご覧いただけます。《種をまく人》のほか、《落ち穂拾い,夏》、《夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い》、《ポーリーヌ・V・オノの肖像》、《鶏に餌をやる女》、《角笛を吹く牛飼い》、《冬(凍えたキューピッド)》、《グレヴィルの断崖》などを展示しています。

自然を描く バルビゾン派を中心に
展示期間:2021年3月9日(火)~2021年6月6日(日)

シャルル=エミール・ジャック 《森の中の羊の群れ》 
1860年頃 油彩・麻布

パリ近郊のバルビゾン村は、広大なフォンテーヌブローの森に隣接し、1820年代以降豊かな自然環境を求めて画家たちが集まるようになりました。1840年代には、ルソーやミレーらが定住を始め、彼らを中心として交流した画家たちは、のちにバルビゾン派として知られるようになりました。彼らは自然を重要なテーマとし、森や渓谷などの自然の景観、農村風景、人間とともに生きる家畜などを描きました。その中の一人であるシャルル=エミール・ジャックは、ミレーとともにバルビゾンに移った画家であり、羊の絵を得意としました。毛の質感や個々の羊の表情までもとらえた精緻な描写は、当時から高い評価を得ました。

人物を描く
アカデミックな表現 ・世紀末から20世紀にかけての表現
展示期間:2021年3月9日(火)~2021年6月6日(日)

オディロン・ルドン 《鎖に繋がれたアンドロメダ》 
1905年頃 油彩・麻布

第2室ではさらに、人物の表現に焦点をあてたコーナーもあります。
伝統的に西洋美術の最も重要な主題は人間であり、神話や宗教、歴史的事象を多数の人間を描き込むことで構成した「歴史画」が、19世紀においても規範とされていました。その理念の中核を担ったのが、教育機関であるアカデミーであり、古代の美を理想とし多数の歴史画家を生み出しました。やがて時代が下るとさまざまな表現が登場し、世紀末から20世紀にかけては絵画の世界に大きな革新が起こります。人物の表現も大きく変化しました。このコーナーではアカデミックな画家と世紀末から20世紀にかけて活躍した画家の作品を並べ、その特徴を対比的に紹介します。

テーマ展示室 [コレクション展B]

山梨ゆかりの作家たちの作品を中心に紹介しています。

画家たちの戦後 -池田龍雄を中心に-
展示期間:2021年3月16日(火)~2021年6月13日(日)

池田龍雄 《出口のない貌》 
1959年 インク、コンテ、水彩、油彩・紙

佐賀県に生まれた池田龍雄は、17歳の誕生日に特攻隊員として終戦を迎えました。戦後は画家を志し、岡本太郎の主宰するグループに加わるなど、前衛画家として活動しました。池田は緻密な線によるペン画で、時事問題に向き合い、社会の不条理を暴き出そうとしました。現実の事件などに取材したそれらの作品は、今日「ルポルタージュ絵画」と呼ばれ高く評価されています。さらに池田は化け物の姿で、権力者や金持ちなど強者を戯画化します。人間の暗部をのぞき見るような鋭さと、化け物のどこかユーモラスな姿が、非情なものを笑いの俎上に載せ、絵筆で現実に抗するという画家の姿勢を示しています。本作は1950年代末に池田が取り組んだ大型のペン画の一つです。制作の背景には、米国の「反共の砦」となるべく進められた再軍備問題があったといいます。安保闘争へと発展していく社会の動きは、体制への強い批判を持った大型ペン画を生み出しました。

野口コレクションの動物たち
~禽獣虫魚の世界~
展示期間:2021年3月9日(火)~6月6日(日)
※前期展示:3月9日(火)~4月25日(日)、後期展示:4月27日(火)~6月6日(日)

円山応挙 《琴高仙人乗鯉図》 1776年 絹本着色 寄託 後期展示

「野口コレクションの動物たち~禽獣虫魚の世界~」では、動物画を得意とした円山応挙や岸駒、素朴でかわいい牛や猿を描いた白隠、動物が登場する仏画を描いた日根対山や小室翠雲など、近世近代の様々な画家によって描かれた動物絵画を紹介します。

春の情景
展示期間:2021年3月9日(火)~6月6日(日)
※前期展示:3月9日(火)~4月25日(日)、後期展示:4月27日(火)~6月6日(日)

望月春江 《惜春》 
1978年 紙本着色

「春の情景」では、春の訪れから、時の移ろいを惜しむようにとらえられた花など、春を描いた日本画を展示します。また「春の富士山」では、萩原英雄による富士山の連作「三十六富士」などを紹介します。

萩原英雄記念室 [コレクション展C]

甲府市出身の作家である萩原英雄の作品やコレクションを紹介しています。

「イソップ物語」シリーズ
展示期間:2021年3月9日(火)~2021年6月6日(日)

《鸚鵡と牝猫》 1976年 木版             《オームと牝猫》 1976-86年 コラージュ

「イソップ物語」は、萩原が繰り返し取り組んだテーマです。1976(昭和51)年に、凹版の木版画による連作を発表しましたが、この連作では自由な線と色彩豊かな全52点の木版画による「イソップ物語」が展開されています。しかしこれに先立つ1958(昭和33)年には、銅版画による数点の同テーマ作品を制作していました。1976年から86年にかけてはコラージュでも制作しており、版画にとどまらずさまざまな表現方法を試みていました。コラージュは、新聞や雑誌の切り抜きなど既存の素材を組み合わせることで、鮮やかな色彩と巧みな画面構成が特徴となっています。本展では、全30点のうち、約半数を展示します。動物たちの多様な物語が、人間の世界にも通じる、ある種の縮図とも言えることを説いていた萩原。その視点をご覧いただきます。

萩原英雄
Hideo HAGIWARA
1913(大正2)年~2007(平成19)年

〈石の花〉は全16点が制作されたシリーズで、その中には萩原が考案した「両面摺り」(裏面にも色を摺り、それを表面に滲ませる技法)の技法が発揮されています。本コーナーでは第2回東京国際版画ビエンナーレへ出品し、神奈川県立近代美術館賞を受賞しました3作品も含めて展示します。