山梨県立美術館は45年間をとおして、館の根幹となるコレクションの充実を図ってきました。本展ではコレクション内の優品を展示し、会期中はコレクションを活用した様々なイベントを開催します。当館の大黒柱である収蔵作品と、新たな鑑賞方法や活用方法を掛け合わせる、いわばコレクションの「リミックス」をとおして、美術館の今後の可能性を探る大切な機会とします。
当館では、開館以来、自然豊かな県を象徴するコレクションとして、ジャン=フランソワ・ミレーの作品収集を継続してきました。本展は、ミレーの作品と、私たちと同じ時代を生きる現代美術作家による作品を展観し、その共鳴を体感いただくことで、コレクションの可能性を探る試みとなります。
人類史上に輝く繁栄を誇った古代ローマ。なかでも日本人が深い関心をよせるものの一つがテルマエ(公共浴場)であり、ヤマザキマリ氏による漫画『テルマエ・ロマエ』はテルマエへの親近感をより一層高めました。本展では、同漫画の主人公ルシウスが案内人となり、古代ローマのテルマエとともに、日本の浴場文化も紹介します。ルシウスが浴場をとおして日本と古代ローマを往復したように、それぞれの浴場文化を体感することのできる機会となるでしょう。
アーツ・アンド・クラフツとは、19世紀のイギリスでウィリアム・モリス(1834~1896)が提唱した、生活と芸術の統合を理念とするデザイン運動のことをさします。本展では160点に及ぶ作品を通じてアーツ・アンド・クラフツ運動の多様な展開を紹介します。