「日本画」は、江戸時代以前の日本絵画と比べて”革新的”、新しく流入した西洋絵画に対しては”伝統的”という相反する性格を併せ持って近代に誕生しました。
本展は、明治から昭和(1900~1980年代)にかけて、独自の日本画の表現を模索した画家27人に焦点を当てます。西欧美術への傾倒、古典の新解釈、画壇への反発、画風の固定化からの脱却ーそれぞれの画家による葛藤と探求から、日本画の課題や展開の様相が浮かび上がります。また、山梨ゆかりの日本画家もそれらの動向の中に位置づけて紹介します。
「日本画」の挑戦者たちの生き方と作品世界を通して、日本画の多様な魅力をぜひご堪能ください。
空気と光を日本画で描くという命題に、朦朧体と揶揄されながらも、没線彩色法で挑戦した横山大観と菱田春草を紹介します。

大正・昭和初期の日本画では、西洋の美術思潮の影響を受けながらも伝統を尊重し、写実性や装飾性の追求、大和絵や琳派、南画への傾倒など多様な表現が生まれました。日本画の革新を意識し、自由な創作活動を行った画家を紹介します。








戦前の社会文化が否定された戦後、日本画もまた「日本画滅亡論」が唱えられ、日本画の本質や画家の姿勢が改めて問われました。戦前から革新の準備を始めていた若い世代の画家だけでなく、中堅の画家の中にも、日本画の新時代を築こうとする機運が高まりました。清新な画題、鮮明な形態や色彩、大胆な画面構成、現実感の表出など、それぞれが課題に取り組む様相を紹介します。




戦後になって近代の日本画を担ってきた巨匠たちが去り、若手の画家たちへの世代交代が進みました。日本画変革に対する高い意識を持つ次世代の画家たちが、新時代の感覚や実験的な表現を展開しました。ここでは、日本画が現代美術全般の中に位置づけられる前段階の1980年代以前までの活動を紹介します。



