種をまく 世界がひらく 山梨県立美術館

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シダネルとマルタン展

最後の印象派

会期2021年11月3日(水・祝)~2022年1月10日(月・祝)
※シダネルとマルタン展では、前売券の販売予定はありません。

 フランスで19世紀末から20世紀前半にかけて活動したアンリ・ル・シダネル(1862-1939)とアンリ・マルタン(1860-1943)。2人の画家は豊かな色彩や点描といった印象派や新印象派の表現を継承しつつ、19世紀末に広がった象徴主義的な世界観や、家族や自邸の情景といった身近なものを情感を込めて描くアンティミスト(親密派)の顔もあわせもっています。2人はフランス芸術家協会サロンへの出品などを通じて親交を深め、1900年には2人を中心として新協会(ソシエテ・ヌーヴェル)が設立されました。
 生涯にわたる親交を結び、絵画表現における共通点も多い2人ですが、シダネルは月夜や夕暮れ、食卓や庭といった静謐な風景を抑制された色調で詩情豊かに描いたのに対し、マルタンは明るい陽光に照らされた風景や人物を暗示的な表現で描き、フランス国内の公共建築の壁画を多く手がけました。
 本展は2人の画家をあわせて紹介する国内初の展覧会となります。穏やかでどこか神秘的な光と色彩に彩られた画家たちの作品世界をぜひお楽しみください。

みどころと展示予定作品  関連イベント

名称
シダネルとマルタン展
会期
2021年11月3日(水・祝)~2022年1月10日(月・祝)
※シダネルとマルタン展では、前売券の販売予定はありません。
開館時間
9:00~17:00
(入館は16:30まで)
会場
特別展示室
休館日
2021年11月8日(月)・15日(月)・22日(月)・29日(月)、12月6日(月)・13日(月)・20日(月)・27日(月)~2022年1月1日(土)、1月4日(火)
観覧料
一般 1,000円(840円) 大学生 500円(420円)
※( )内は20名以上の団体料金、県内宿泊者割引料金
※高校生以下の児童・生徒は無料(高校生は生徒手帳持参)
※県内65歳以上の方は無料(健康保険証等持参)
※障害者手帳をご持参の方、およびその介護をされる方は無料
みどころと
展示予定作品

第1章 エタプルのアンリ・ル・シダネル


 若きシダネルはパリの国立美術学校(エコール・デ・ボザール)に入学しますが、やがて北フランスの寂れた港町エタプルへ滞在するようになり、この地で「光の表現」を学びます。これは、当時すでに影響を受けていた印象派の明るく輝く光ではなく、北部特有の微妙に変化する淡い光でした。こうした表現を用いながら、シダネルはジャン=フランソワ・ミレーらレアリスムの画家からも影響を受け、感傷的な田舎の情景などを描きます。エタプルでの経験によって自身の表現を確立したシダネルは、1891年のサロン出品で評価され、そこでマルタンとも出会います。


アンリ・ル・シダネル 《エタプル、砂地の上》 1888年 フランス、個人蔵
©Bonhams

第2章 象徴主義


 19世紀末、ヨーロッパ全土で「象徴主義」が流行しました。これは世紀末の不安やメランコリーといった観念を芸術で表現しようとした傾向で、シダネルとマルタンも敏感に反応しました。1890年代、シダネルは穏やかな光に満ちた静謐な雰囲気の漂う作品群を描いています。一方、より早くこの傾向への関心を示したマルタンは、象徴性が強い華美な世界を描きましたが、1900年以降は象徴性が薄れていきます。


アンリ・マルタン 《腰掛ける少女》 1904年以前 ランス美術館蔵
©C. Devleeschauwer

第3章 習作の旅


 印象派など19世紀以降の風景画家たちは、各地を旅してその風景を描きました。彼らの末裔であるシダネルたちも、各地で数々の情景を習作として描いた後、制作拠点に戻って大画面の完成作に仕上げています。シダネルは、北部の町や海岸、妹のいたモントルイユ=ベレー、ブルターニュ地方、南仏などフランス各地をめぐり、さらにイギリス、ベルギー、イタリアへも足を延ばしました。


アンリ・ル・シダネル 《サン=トロペ、税関》 1928年 フランス、個人蔵
©Yves Le Sidaner

第4章 アンリ・マルタンの大装飾画のための習作


 マルタンは、公共建造物などの装飾壁画をしばしば依頼される人気作家でした。群像表現を特徴とするマルタンの装飾壁画は、人物の姿勢や配置などスケッチや習作を繰り返し、時間をかけて構想が練られ、大画面に仕上げられました。習作では、小刻に震えているかのような変化に富んだタッチによって一瞬の光景が捉えられています。


アンリ・マルタン 《ガブリエルと無花果の木〔エルベクール医師邸の食堂の装飾画のための習作〕》 1911年 フランス、個人蔵
©Archives photographiques Maket Expert

第5章 ジェルブロワのアンリ・ル・シダネル


 1904年、シダネルはフランス北部の小村ジェルブロワに制作の拠点を構え、季節の良い時期に滞在し、バラの咲き誇る自宅の庭や、穏やかな村の景色を描きました。この頃から、食卓や窓辺のシリーズに見られるように、画中から徐々に人の姿が消え、卓上の食器や窓の灯りによって人の存在を暗示するシダネルの真骨頂とも言える作風が確立します。


アンリ・ル・シダネル 《ジェルブロワ、テラスの食卓》 1930年 フランス、個人蔵
©Luc Paris

第6章 ラバスティド・デュ・ヴェールのアンリ・マルタン


 1900年、マルタンはフランス南部の小村ラバスティド・デュ・ヴェールに別荘マルケロルを購入し、この地の橋や丘、彼自身が造った庭、テラスなどを描きました。この時期より、マルタンの絵からは象徴性が影を潜め、身近な情景が描かれるようになりました。


第7章 ヴェルサイユのアンリ・ル・シダネル


 1909年から晩年にかけて、シダネルはヴェルサイユにも居を構え、ジェルブロワとの二拠点生活を行いました。ヴェルサイユ宮殿はシダネルにとって格好の題材となり、穏やかな眼差しで、壮麗な宮殿の敷地を素朴で親しみのある情景として描きました。シダネルにとって、ヴェルサイユはジェルブロワに次ぐ着想源となり、120点ほどの油彩画を制作しました。


アンリ・ル・シダネル 《ヴェルサイユ、月夜》 1929年 フランス、個人蔵
©Yves Le Sidaner

第8章 コリウールとサン・シル・ラポピーのアンリ・マルタン


 マルタンは新たに2つの場所に家を購入し、その地の情景を描きました。まず、1911年にサン・シル・ラポピーという中世の村にある家を購入し、川を見下ろす断崖の教会など村の情景を多数描きました。1923年には海沿いの村コリウールにも家を購入し、多様な色彩による光と影の表現を用いて入り江にある港の情景を描きました。


アンリ・マルタン 《サン・シル・ラポピーの崖》 1911年頃 フランス、個人蔵
©Archives photographiques Maket Expert

第9章 家族と友人の肖像

 シダネルとマルタンは、身近な人物を愛情深い眼差しで情感を込めて描き、アンティミスト(親密派)とも呼ばれています。シダネルは、1900年代から画中に人物を描かなくなりましたが、家族や友人の肖像画は好んで描いていました。また、マルタンは装飾壁画の中に家族や友人の肖像を描き込んでいます。


関連イベント
※イベントは延期または中止になる可能性がございます。ご来館前に当館ホームページを必ずご確認ください。

■ワークショップ「冬の光のもとで絵を描こう」※要事前申込
[日時]11月23日(火・祝)①10:00~12:00 ②14:00~16:00
[対象]幼児から大人 ※幼児には付き添いが必要
[定員]各回18名程度 ※参加無料
[場所]ワークショップ室

イベント詳細情報
/申込方法

■みどころ解説講座 ※申込不要
[日時]11月13日(土)11:00~12:00
[定員]50名(予定) ※聴講無料
[場所]講堂


■大村雪乃「丸シールアート」ワークショップ ※要事前申込
[日時]11月7日(日)14:00~
[講師]大村雪乃氏(現代アーティスト)
[定員]20名 ※参加無料、要特別展チケット(受付にて半券をご提示ください)
[場所]講堂

イベント詳細情報
/申込方法

■開館記念日プレゼント
11月3日(水・祝)の開館記念日にご来館の方に、当館コレクションにちなんだ記念品を差し上げます。
[対象]コレクション展または特別展「シダネルとマルタン展」をご観覧の方
[プレゼント内容]コレクションにちなんだポストカード
※先着順で、無くなり次第終了いたします。
※プレゼント内容は変更になる場合がございます。ご了承ください。

ミュージアムショップ
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特別展関連グッズや特別展メニューを提供予定です。