種をまく 世界がひらく 山梨県立美術館

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ホームコレクション主な収蔵作品バルビゾン派・その他西洋美術ベントハイム城の見える風景

ヤーコプ・ファン・ライスダール
《ベントハイム城の見える風景》

1655年頃 油彩・麻布 63.5×68.0cm

 ハールレムに生まれ、アムステルダムで歿したとされる。彼の修業時代については何も知られていないが、1648年にハールレムの画家組合に加入し、職業画家として認められている。1650年頃にドイツ西部を旅行し、山岳風景、広大な森、河、丘陵、城などに感動して、のちの作品に反映させた。17世紀オランダを代表する風景画家であり、バルビゾン派をはじめとする後世の風景画家たちに多大な影響を与えた。
 ドイツを訪れたおよそ5年後に制作された本作品は、オランダ国境に近いウエストファリア地方の小さな村ベントハイムの城の風景を描いている。ライスダールはこの城に強い印象を受けたようで、しばしばモチーフとして取り上げた。左手後景に茂った樹木のあいだからわずかに見える建造物が、城の小塔である。城の主要な建物は隠されており、本作品では、起伏の多い丘の斜面や、城へとつづく林道の様子が細かく表現されている。曲がりくねった小道には馬に乗った騎士、農民の男女、羊飼いと羊の群れがいる。