種をまく 世界がひらく 山梨県立美術館

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ホームコレクション主な収蔵作品バルビゾン派・その他西洋美術市日

コンスタン・トロワイヨン
《市日》

1859年頃 油彩・麻布 115.4×175.5cm

 セーヴルで磁器職人の息子として生まれ、パリで歿する。早くから磁器工場で働き、絵付職人から絵を学んだ。1843年にルソーと知り合い、フォンテーヌブローの森で制作するようになる。1847年オランダに1年間滞在して、17、18世紀のオランダ人画家の作品にふれてからは、動物画を手がける。1849年にレジオン・ドヌール勲章を受章、1855年のパリ万国博覧会で一等賞を受賞した。没後の1867年のパリ万国博覧会では大回顧展が開催された。
 本作品の主題となっている定期市は、動物の売買や、遠く離れた都市からの情報を得る機会であった。フランスの地方での市の多くは、春か秋に、中世以来同じ場所で開かれていた。本作品では、動物画家として有名だったトロワイヨンにふさわしく、市に集まった家畜の様子がていねいに描かれている。なお、本作品は、川崎造船所初代社長で美術収集家の松方幸次郎が渡欧中に購入し、日本に持ち帰ったもので、1928年に国内で公開された。