種をまく 世界がひらく 山梨県立美術館

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ホームコレクション主な収蔵作品バルビゾン派・その他西洋美術川辺の鹿

ギュスターヴ・クールベ
《川辺の鹿》

1864年頃 油彩・麻布 73.0×92.0cm

 フランス東部フランシュ=コンテ地方の町オルナンに生まれる。パリのアカデミー・シュイスに通い、1844年のサロン(官展)に初入選。《オルナンの埋葬》《石を割る人々》などの野心作を次々に発表。1855年の万国博美術展に際して主要作品の出品を拒否されたため、自ら個展を開催した。1871年、パリ・コミューンに参加し、コミューン敗北後は入獄、そしてスイスに亡命し、不遇のうちに亡命先で歿した。
 クールベは1857年のサロン(官展)にはじめて狩猟画を出品し、以降狩猟画家として商業的な成功を収める。本作品には狩人に追われて逃げ場を失い、川に飛び込む寸前の追いつめられた鹿の様子が描かれている。暗い森の中から飛び出してきた鹿には一瞬の強い光があたり、首筋や背中が輝いている。描かれた鹿は、クールベが1861年のサロンに出品した鹿の作品をもとにしたもので、フランスの伝統的な狩猟画や、イギリスの動物画家サー・エドウィン・ランドシーアによって描かれた鹿との影響関係も指摘されている。