種をまく 世界がひらく 山梨県立美術館

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ホームコレクション主な収蔵作品バルビゾン派・その他西洋美術フォンテーヌブローの森のはずれ

ピエール=エティエンヌ・テオドール・ルソー
《フォンテーヌブローの森のはずれ》

1866年 油彩・麻布 76.0×95.0cm

 パリで生まれ、バルビゾンで歿した。17世紀オランダ絵画や、イギリス風景画から影響を受ける。1833年にバルビゾンを訪れ、1836年には同地に定住する。多くのバルビゾン派の画家たちがパリを拠点として活躍したのに対して、ルソーはバルビゾン村に定住して風景画を描きつづけた。1831年にサロン(官展)への初入選を果たすものの、1836年から41年までサロン(官展)への落選が続いたため、「偉大なる落選王」と呼ばれた。その後、1849年のサロンで1等賞を受賞、1852年にレジオン・ドヌール勲章を受章、1855年のパリ万国博覧会で特別室で作品が展示されるなど、公的な評価を得た。バルビゾン派の指導者的存在で、ミレーやディアズと親しくしていた。
 本作品に描かれるのは、フォンテーヌブローの森のアプルモン渓谷と考えられる。そこは岩だらけの渓谷の頂に広がる牧草地のひとつで、水飲み場もあることから、放牧地として人気があった。ルソーは、1830年代に初めてバルビゾンを訪れて以来、アプルモン渓谷の景色を多く描いている。