種をまく 世界がひらく 山梨県立美術館

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ホームコレクション主な収蔵作品バルビゾン派・その他西洋美術ドルトレヒトの月明り

ヨハン・バルトールト・ヨンキント
《ドルトレヒトの月明り》

1872年頃 油彩・麻布 59.5×102.0cm

 オランダのラトロップで生まれ、フランスのラ=コート=サンタンドレで歿した。オランダのハーグ美術学校で学んだ後、1846年にパリに出て、バルビゾン派の画家たちと交流を持つ。パリで活動して、油絵のみならず版画で各地の風景を描いた。1862年には腐食銅版画協会会員となり、優れたエッチングを発表した。
 本作品の舞台となるオランダの南ホラント洲の町ドルトレヒトには、川や運河が数多く見られる。本作品でも画面の中央を川(あるいは運河)が占めており、何艘もの舟が浮かんでいる。川の両岸には木々が生い茂り、遠景には風車や教会が見えている。厚い雲のあいだに隠れる月が水を照らし、きらきらと輝いている。このような大胆な筆づかいや光と影の表現は、クロード・モネなど、印象派と呼ばれることになる若い画家たちに影響を与えた。 早くからアルコール中毒にかかり、各地を転々としたのち、グルノーブルの病院で歿した。