フランスのナントの磁器工場の息子として生まれ、リラダンで歿する。1822年に磁器絵付職人として働きはじめたが、12歳頃から油彩画を学びはじめる。その後パリで絵の勉強をして、1831年のサロン(官展)に初入選する。1834年にイギリスを訪れ、イギリス風景画からの影響を受ける。帰国後は主にパリ近郊で制作した。特にルソーと親交が厚く、制作の面でも影響を受けた。1850年にリラダンに移り住み、終生そこで過ごした。
1840年代のデュプレは、バルビゾンや旅行先で友人ルソーとともに制作を行っていた。ルソーの影響を受けた風景画を多く手がけている。本作品には画面いっぱいに背の高い木々が描かれている。枝や葉が絡み合って、ひとつの塊のようになっている。空には夏の青空が広がり、木々の下に広がる牧草地には、木々によって生みだされた影がおちている。くつろぐ牛たちも日陰の涼しいところを選んでいるのだろう。遠景を見ると牛の群れがはるか遠くにまでいることが分かる。