種をまく 世界がひらく 山梨県立美術館

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ホームコレクション主な収蔵作品日本の近現代美術凍れる歩廊(ベーリング海峡)

深沢幸雄
《凍れる歩廊(ベーリング海峡)》

1978(昭和53)年 銅版 49.5×74.5cm

 山梨県南巨摩郡増穂町(現、富士川町)に生まれる。1949(昭和24)年に東京美術学校(現、東京藝術大学)金工科を卒業後、独学で銅版画を学ぶ。1957(昭和32)年に日本版画協会展で日本版画協会賞を受賞。1963(昭和38)年にメキシコ国際文化振興会の依頼でメキシコに渡り銅版画技法を教え、以後色彩版画を多数制作するようになる。1972(昭和47)年にフィレンツェ国際版画ビエンナーレでバンコ・デ・ローマ賞を受賞するなど国際的に活躍する。
 深沢は70年代半ばの中米への旅でインディオの村を訪れ、インディオとアジア人とはモンゴロイドという共通の祖先の末裔であるという思いを深め、〈新大陸のモンゴロイド〉というテーマを思いつく。本作はその代表作であり、氷河期に凍ったベーリング海峡を渡ってアジアから新大陸へと移動したモンゴロイドが表現されている。1970年代を通して、壮大な人類史をテーマに、物語性豊かな作品が多数制作された。