「キュレーターズ・アイ」では、主に山梨県にゆかりのある若手作家を取り上げ、その作品を紹介しています。
昨年度、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による休館のため延期された「針生卓治展」を改めて開催いたします。
北杜市、ついで甲斐市で絵画を制作してきた針生卓治は、垂直線と水平線を人間の生活を区切るものの象徴として描き出します。そこには、生活の内と外との境である「窓」というモチーフが組み合わされ、近年は「境界」という概念そのものを描くことにも取り組んでいます。震えるような細かな線の重なりに込められた、人の営みに対する作家の思いをご覧ください。