昨年度、山梨県立美術館では、文化庁の文化芸術振興費補助金を受け、《種をまく人》をはじめとした所蔵するジャン=フランソワ・ミレーの作品3点の超高精細画像の撮影を行いました。撮影された画像データは非常に大きなもので、肉眼では見ることのできないレベルまで、画面上の対象をとらえています。
今年度、この画像をもとに、東京藝術大学が《種をまく人》の「クローン文化財」を制作しました。「クローン文化財」は、オリジナルのもつマチエールを忠実に再現した精密な複製で、東京藝術大学が文化の継承のため、9ヵ年かけて取り組んできたプロジェクトの集大成に当たります。本展では3Dデジタル技術により、色だけでなく絵画表面の凹凸まで再現されたクローンをご覧いただけます。