本展『まだ溶けていないほうの山梨県美』は、美術館内そしてメタバースと呼ばれる仮想空間を舞台とした展示企画シリーズ『LABONCHI』の第2弾となります。
今回は「溶けた林檎の彫刻」「1300年持ち歩かれた、なんでもない石」等の代表作品で知られる山梨県市川三郷町在住の美術家・雨宮庸介を招聘し、現実空間と仮想空間を往来する新作をご紹介します。
雨宮は、大学の油彩画専攻を卒業後、彫刻作品や映像、パフォーマンスなど様々なメディアを用いて精力的に制作しています。2011年に渡欧し、2013年にはSandberg Institute(アムステルダム、オランダ)を修了し。近年までドイツ・ベルリンで活動していました。代表作として知られる溶けた林檎の彫刻のように、普段現実では起こりえない現象や状況を生み出し、それによって鑑賞者の認識に変化を起こすことが、雨宮の作品の核となっています。そしてこれまでの作品のテーマとしてV(仮想)とR(現実)を取り扱う事が重要であり探求する事柄であったと雨宮は語ります。
本展で雨宮は、「まだ溶けていない」というタイトルとすることで、溶けることのない美術館が、林檎のように溶けることを想像させてくれます。このようにして、想像の力で現実世界と仮想現実を緩やかにし、現実の面白さを投げかけます。
VR(仮想現実)ヘッドセットと呼ばれる視野を拡張するマシンを使用した今回のデジタル映像作品によって、これまでの雨宮のV(仮想)とR(現実)についてのテーマがどのように拡張されるのかどうぞご期待ください。
※館内本館1Fロビーで、VRゴーグルを用いた仮想空間体験(約30分)をお楽しみいただけます。
(満席の場合は、先着順でのご案内となります。)
※当館で使用しているVRゴーグルの対象年齢は13歳以上です。(12歳以下のお子様の使用は推奨しておりません。)